2012年8月10日金曜日

「山田経営維新塾メールマガジン」VOL16,2012.8.10号


人間力・リーダーの真摯さ

組織(企業)の精神は、トップで決まります。
リーダーシップが発揮されるのは「真摯さ」によってです。

マネジャーがしなければならないことはいろいろありますが、たいていは学ぶことができます。
しかし「学ぶことのできない資質、始めから身につけていなければならない資質が、一つだけある」とピーター・ドラッカーは言います。
才能ではありません。「真摯さ」です。

真摯さはごまかせません。
「ともに働く者、特に部下には、上司が真摯であるかどうかは数週間でわかるものだ」とドラッカーは言っています。自分の職責に対して無知であり、無能なマネジャー。困りものですね。部下から見ていかにも頼りない、また「らしくない態度」のマネジャーも、部下から見ればうんざりの上司でしょう。
それでも、真摯さに欠けているマネジャーに比べればまだましです。
部下は、真摯さの欠如だけは許しません。

「真摯さの欠如」とは何でしょう。定義は難しいです。
しかし、マネージャーとして失格とすべき真摯さの欠如、なら具体的に挙げることができます。

①人の強みよりも弱みに目を向ける者をマネジメントの地位につけてはならない。
②何が正しいかよりも、誰が正しいかに関心を持つ者をマネジメントの地位につけてはならない。
③真摯さよりも頭のよさを重視する者をマネジメントの地位につけてはならない。
④有能な部下に脅威を感じる者をマネジメントの地位につけてはならない。
⑤自らの仕事に高い水準を設定しない者をマネジメントの地位につけてはならない。

私は「真摯さの欠如」は人の「権力志向」と平行なものだと思っています。
人は例外なく「小権力」を求めるものです。意地悪で狭量な感情です。
だから一たび権力を得ればそれを行使したくなるし、せっかく得られた権力は絶対に離したくない。
権力を持つ者は、自分を「絶対者」と錯覚します。誇示したくなります。
それがドラッカーが言うところの「真摯さの欠如」につながるのです。

人を認めることをせず、相手の弱さばかりに目が行く(①)。
権力を求める過程では、自分の信念より、誰が強いかに関心(②)。
一所懸命な者より速攻で成果を出してくれる者を可愛がる(③)。
さりとて、有能過ぎれば自分の地位を脅かす者は排除(④)。
よい仕事で自分を見せるより、人に認められることのみに関心(⑤)。

すべて、小権力に溺れてしまった者が取りがちな行動ばかり。
一言で言えば、謙虚さが欠けているのでしょう。ありがとう、おかげさまを忘れています。
権力は誰もが求める「欲」ですが溺れてはなりません。溺れれば人間の根本(根っこ)が腐っていきます。組織の場合、リーダーが腐れば木は枯れます。

人の範となれるかどうか、真摯さが全てです。
そして真摯さはごまかせるものではありません。
偉大な組織(企業)でありうるのは、トップが、リーダーが偉大だからです。
逆に、組織(企業)が崩壊するとすれぱ、それはトップが腐っているからです。


範とすることができないリーダーは、その地位についてはいけません。
仕事は真摯な人たちと楽しく行いたいものですね。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。