2015年5月20日水曜日

「山田経営維新塾メールマガジン」Vol58,2015,5,20号

経営に足踏みは許されない

・経営にはイノベーションが欠かせない

新規事業を立ち上げ、最高の製造・販売プロセスを確立したとしても、継続的なイノベーションを忘れてはなりません。

「イノベーション」はドラッカー経営学の中核的概念です。「革新」と訳されることが多いのですが、久恒啓一・宮城大学教授は「むしろ、『改良』『改善』に近いのではないか」と述べています「ドラッカー、一流の仕事をするプロの教え」ドラッカー研究室、アスペクト)。

「革新」が主に天才的な個人によって行われる独創的・画期的・急進的な改革であるのに対し、ドラッカーが説く「イノベーション」は凡人によって行われる継続的・体系的・漸進的な変化を意味しているからです。

 ドラスティック(急進的)な改革は一見すると華やかですが、自分本位になりがちで、地に足がついていないキライがあります。長続きもしない。

 その点、漸進的な改善・改良は地味ではありますが、お客様本位であることが多く、結果的に自社・自店のファン層を広げることにつながります。


 視点は、あくまで「お客様に喜んでいただけるかどうか」「お客様にかんどうしていただけるかどうか」

 お客様の使いやすさ、値段、品質、デリバリーのスピードなど、顧客満足を目指すなら、現状が、どんなに高いレベルだったとしても、「これで良し」とは言えません。改善すべきポイントは山のようにあります。


・イノベーションと顧客満足は一体

 マーケティングといい、イノベーションといっても、顧客満足を離れてはありえません。マーケティングやイノベーションの目的が顧客満足であると考えるより、顧客満足の中にマーケティングやイノベーションがあると考える方がいいと思いますね。

 マーケティングやイノベーションを、「顧客満足を実現するための道具」と考えるわけです。

 改革を続けていかなければ、お客様の満足はありません。お客様の期待値は徐々に上がっていきますし、時代・時期・季節とともにニーズも変化していきます。期待に応えるためには変化するニーズに即納する必要があります。

 ただ、いつまでもニーズの後ろを追いかけていくのも感心しません。できればニーズを先取りしたい。ニーズには顕在化しているニーズと、潜在的な(顕在化していない)ニーズとがあります。

 顕在化しているニーズに対応するのは、ある意味で当然のこと。お客様が感動するような、痒いとこに手が届くサービスを提供するためには、お客様が未だ意識してないニーズを察知し、「読んで」いくことも必要だと思います。

 また、簡単に察知するだけでは、なんにもなりません。それにもとずいて改良・改善を加えていく、それがイノベーションです。

 経営者はイノベーター(改革者・変革者)でなければなりません。一度、製造・販売プロセスを構築してしまうと、ひと安心してしまってイノベーションに取り組まないケースが多いようです。


 ビジネス環境は時々刻々と変化してますから、経営も足踏みは許されません。チェックし、是正するプロセスが欠かせないのです。


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2015年5月8日金曜日

「山田経営維新塾メールマガジン」Vol57,2015,5,11号

「競合に勝つ戦略」
 と
「競合に負けない戦略」

先回書きました、
マーケティングの5つの要素のうち、
どれかひとつでいいから、
競争優位(競合に勝てる強み)を
確立することができれば、
競合に勝つことが可能になります。

当たり前の話ですが、
競合と同じことをしていたら、
いつまでたっても競合に勝つことはできません。

特に後発企業は先行している競合企業より、
何らかの点で優れていなければ、
顧客の獲得は難しい。
競合は先行メリットを生かし、
すでに市場で一定のシェアを確保しているからです。

シェアを奪い、切り崩すためには
競合に勝てる「武器」を手に入れる必要があります。
確固とした「競争優位戦略」を打ち出さなければなりません。

ただし、競合に「負けない」ためには
時には競合と同じことをしなければいけない場合もあります。
競合が圧倒的に強く、自社の強みを、
なかなか探し出せない場合、
当面の戦略として
「競合に負けない戦略」
を実行する必要があるからです。
 
負けない戦略も、いろいろ考えられますが、
競合と同じことを実行することも立派な対抗策のひとつです。
つまり対競合戦略としては「競合に負けない戦略」
「競合に勝つ戦略」があるわけです。


私が創業した山田園を例にとって、
5つの要素を検討してみましょう。

私が茶業界に乗り込んだ時も競合が多かった。
山田園は1984年の創業です。
古くから良質なお茶を産出することで知られていました
川根町に本社を置きました。
 
当時の茶業界、特に静岡県は
創業50年100年という老舗が
ひしめき合っていました。
ちょっとやそっとの「強み」を
持っていたとしても、生き延びることさえ難しい。

業界で常識とされることは、すべてやってみました。
ただ、
常識の範疇のことだけをやっていても差別化はできません。
結果を出せないことは最初から、わかっていました。
しかし、他社がやっている以上、
ウチがやらないわけにはいきません。

ある程度、安定した経営基盤を築いた段階で
「このまま、よその二番煎じをやっていたら、
太刀打ちできない。ウチはアイデアで勝負しよう」

考えて考えて考え抜きました。

周囲から見れば、何もしないで、
ぼんやりしているように見えたかもしれませんが、
頭の中は高速で回転していました。

脳みそは汗がしたたり落ちてました。


・経営戦略の着眼点1 誰に売るのか

第一に、
「誰に売るのか(狭義のマーケティング)」
が大問題でした。

新規の事業を立ち上げる場合、
アンゾフの成長戦略が示すように、
取扱商品と市場の組み合わせから、
次の4つの戦略が考えられます。

1、 市場浸透戦略
既存の商品で既存の市場を深堀して売り上げを伸ばす戦略

2、 市場開拓戦略
既存の商品で新しい市場を開拓して売り上げを伸ばす戦略

3、 製品開発戦略
既存の市場に新しい商品を投入して売り上げを伸ばす戦略

4、 多角化戦略
:新しい商品で新しい市場に参入して売り上げを伸ばす戦略

この4つの戦略の中では、
番号の順番に従来の事業から離れることになり、
リスクが高まる傾向にあります。


つまり、現在のお客様(市場)に現在の商品を、
より多く買ってもらうことが一番たやすい戦略であり、
新しい市場に新しい商品をぶつけることが、
もっともリスクが高い戦略であること意味してます。

したがって、新規事業を立ち上げる際は、
この番号順(1~4)に検討していくことが
望ましいといえます。

私の場合、お茶という商品に、
こだわりがありましたから、
最初から「製品開発戦略」「多角化戦略」は
検討の対象にはなりません。
市場開拓戦略、すなわち新しい市場を
見つけることに全力を尽くしました。

目を付けたのが仏事などの
「ギフト市場」でした。
県内の製茶メーカーが直接参入していないことを知り、
「これだ!」と積極的に取り組むことにしました。

なぜ参入企業が少なかったかと言えば、
ことがことだけに迅速な対応が不可欠な分野ですが、
製茶メーカーはパッケージングに不慣れで、
スピーディーな納品には対応できなかったからです。

まして老舗の場合、
安定した顧客・販売ルートを持っていますから、
危険を冒して新規市場・顧客を開拓する必要もない。

当時、仏事市場向けの商品は、
もっぱら消費地問屋が供給してました。
川根の製茶メーカーであることによる品質への信頼、
スピーディーなデリバリー、
直接納入による価格の安さなどが
取引先開拓の決め手となりました。

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