2012年5月14日月曜日

「山田経営維新塾メールマガジン」Vol.4 2012.5.14号


第2回山田経営維新塾、午後最初の講義にお招きしたのは有限会社岡むら浪漫の社長、岡村佳明さんです。facebookでユニークな書き手として多くのファンをもつ人でもあります。
きれいな茶髪にネックレス、その上にストールを巻いて登場です。
おしゃれが洗練されていて、わたしなどとうてい真似ができません。

今回のタイトルは「成幸の法則」です。



岡村さんの話は、どこを切り取っても感動の連続でした。
なぜそうなるのか、タイトルが文字通り語っていたのではないでしょうか。
「せいこう」はふつう「成功」と書きます。
功を成す、成績を上げる、功を立てる、何かを成し遂げる…。
岡村さんのは「成幸」です。
幸(さち)が成る、とはどういうことでしょう。
幸福になる。つまり自分が幸せになる、のも成幸の1つ。
その一方、成幸には「幸福をあげる」「幸せにしてあげる」とのニュアンスも感じられます。
自分が幸せになるだけではなく、その幸せを他者に広げる。
岡村さんの店のコンセプトはそこにあるように感じます。

お店は居酒屋です。お母さんの店を継ぎました。
「23歳のころから店を手伝い始めた」と言っていますから、お母さんの後姿を見ています。
岡村さんの良さは、ある時点で「おふくろさんのえらさ」を認めたことにあります。
「35歳になるまで海と遊んでいた」と言います。サーファーでした。
お店を手伝い始めたのも、他で長続きしなかったから。
大の大人がいつまでもブラブラしているわけにもいなかったからでしょう。
わたしは『このお母さんがえらかった』と思います。
息子がプー太郎なら、普通の親なら口うるさく注意するでしょう。
それをしない。我慢したのか、いや、待っていたのでしょう。
息子を信じていたのではないでしょうか。
一心不乱に波と格闘している息子に、何かを感じていたのかもしれません。

それでこんなことを言い出すのです。
「死ぬまでにもう一度、この店を建て直したい」
だが息子は気が付かない。見かねて言ったのは常連客です。
「お前はいつまでたってもバカヤローだ。しーぼう(お母さん)が言いたいのは、お前に一人前になれってことだ。そんなことも分からないのか」
お母さんの苦肉の「間接暗示」を見事に直接的な言葉に翻訳してくれたのです。
甘えていた自分にようやく岡村さんは気づいたんでしょう。
一念発起。「50歳まで遊びを封印する」と誓います。

ここからが岡村さんの商売人としての真骨頂です。
ただ親の跡を継ぐんじゃない。『店をはやらせたい』と思う。
日本中の超繁盛店を見に行きます。
この辺が『男だな』と感じるところ。
『どうだ』と言いたかったんじゃあないでしょうか。
成功して、おふくろさんにほめられたいんです。

繁盛店には繁盛する理由がある。それぞれの店にそれぞれの理由。
しかし、ピンと来なかった。岡村さんは真似をしない。
あれこれ思案をめぐらしているときに気が付いたのは、
『あの店、俺、通ってるな』と、ある店を思いだした。
何が魅力なんだろう。酒のうまさ?料理?店の雰囲気?ロケーション?
そして『あっ、人だったんだ』と気が付いた。

岡村さん、この点は実にさらっと言っていましたね。
でもこの「気づき」は岡村さんという人を変えた。それが尋常ではない。
人を引き付けるのは「ひと」。
主人の人となり、店の人の感じ良さ、気取らない元気…。
この辺は言われて見れば確かにそうです。
しかし、この程度のことなら、ちょっとした繁盛店なら普通にある。
商売の原点、と言ってもいいくらいのものです。
岡村さんが気づいたのもその「原点」ですが、岡村さんのすごさは、そこからです。

──どうしたらリピーターを呼べるか、3割がまた来てくれればそこそこの店になる、人に来てもらいたい、人を集めたい。
誰しもそこに向けて戦略を立てます。しかし岡村さんは違った。
リピート率を高めることに全力を傾けるのです。

人を引き付けるなら自分がそういう人間になる、自分を磨く、勉強する。
従業員はほめて育てる、お客様から見られていることを意識させる。
そしてある日、店の看板を出さないことを決心する。
口コミがなければ店はつぶれる。
と言うことは、勝てる自信があったということ。

講義で岡村さんは、ツキについて話しました。
前向きに解釈すれば見方は180度変わること。
感謝についても語りました。
意地悪な上司こそ師であったこと。
フィリピンの貧しい子どもたちの「分かち合う」心根。
若く優秀な人が特攻で散った知覧のこと。
津波にのみ込まれる夫のガッツポーズ。みな感動的な話でした。

こういう話ができる岡村さんは素敵な人です。
しかし岡村さんをただ「良い人」と見るだけでは、塾生としては失格です。
岡村さんは自分のキャラクターをブランド化しています。
「いかに来てもらうかではなく、いかに帰ってもらうかだ」
それがおふくろさんが岡村さんに言わず語らずして伝えた“商売の極意”。

看板を出さない店を繁盛店にする、
そのために岡村さんは脳みそに汗をかくほど考え抜いているに違いない。
そして忘れてならないのは、若い日々にさんざん遊んだことの強み、です。
自然を相手に裸でぶつかり続けてきた。
いつでも丸裸になる覚悟がある、
だから岡村さんは母の教えを極限まで尖らせることができた…。

感動仕掛け人は、したたかに計算し勝負をかけることができる男でもあるのです。


山田経営維新塾は、
「人間力」を高める。
「感謝の心」「御蔭様の心」「思いやりの心」を大きなテーマのひとつとしています。
岡村さんの講義、相通じ共感しあえる心は同じである、塾生も感謝することを改めて実感してくれたことと思います。
始まったばかりの当塾に、岡村さんの「感じる心」と「感謝の心」に触れる機会を頂いたことに
心より感謝申し上げます。



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2012年5月16日出版予定
「非常識社長の維新を起こす経営」
アマゾンにてご予約可能
発売日には、お近くの書店でもお買い求め頂けます。
http://www.amazon.co.jp/%E9%9D%9E%E5%B8%B8%E8%AD%98%E7%A4%BE%E9%95%B7%E3%81%AE%E7%B6%AD%E6%96%B0%E3%82%92%E8%B5%B7%E3%81%93%E3%81%99%E7%B5%8C%E5%96%B6-%E5%B1%B1%E7%94%B0-%E5%A3%BD%E9%9B%84/dp/4896102347/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1336989767&sr=8-1


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社団法人「山田経営維新塾」

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