2015年3月26日木曜日

「山田経営維新塾メールマガジン」Vol54,2015,3,27号

意見・見方が対立したときは?

「弁証法経営」
とは聞きなれない言葉かもしれませんが
端的にいえば、何かに迷った際や意思決定の際、
「正」と「反」の2者択一ではなく、
第3の道である「合」を探ることです。

「弁証法」は、もともとは哲学用語で、
ドイツの哲学者ヘーゲルの「弁証法」
マルクスの「唯物弁証法」が有名です。
「正」は「正しい」の意味ではありません。
ひとつの命題の意味で、
「反」は、それに対立する命題のことです。

もっとも、「正」と「反」を止揚(しよう)し
「合」に至るといっても、
一般の人には何が何だかわからない。

厳密な定義は私にも出来ませんが、
ビジネスに応用する場合は、
ある意見・見方・状態・制度などを「正」
それに対する意見・見方・状態・制度などを「反」
と考えることができます。
「正」と「反」の対立・矛盾が解消された状態が「合」です。

視点が偏らないので、
ものの見方としても重宝します。
たとえば、ある経営的な問題が生じ、
社員さん二人に意見を求めたとします。

競合会社が商品の値段を下げたので、
どのような対抗措置をとるかというケース。

社員Aさんは、
「対抗して、我社も即座に値下げすべき
そうでないと、競合に顧客を奪われる」

社員Bさんは、
「もう少し様子を見たほうがいい
我社も値下げすると、対抗して競合も、
さらに値下げする可能性がある。
結果的に値下げ競争になり、
共倒れになりかねない。
我社は固定客が多いから、
すぐに顧客が他社に移るとは思えない。
様子を見ているうちに、
他社は値段を元に戻す可能性もある。
しばらくは値下げすべきではない」

と主張しました。

社員Aさんの意見と社員Bさんの意見は、
全く正反対。
Aさんの意見を「正」
Bさんの意見を「反」
と考えることができます。

社長さんは2人の意見を聞いた上で、
結論を出さなければなりません。
社長さんとしても難しい判断を迫られます。


結論としては

1、      Aさんの意見を採用する
2、      Bさんの意見を採用し、なにもしない
3、      二人の意見を折衷する
4、      どちらでもない第3の方法を見つける

などが考えられます。
3と4が弁証法的な解決の仕方といえます。

2人の意見が甲乙つけたければ、
両案を折衷するのも悪くありません。
「足して2で割る」方法です。

この場合は
特別なキャンペーン期間などを設けて、
その期間だけ値引き処置をとる、
などの案が考えられます。

2人の意見が採用されたわけですから、
AさんもBさんも満足します。

人間関係からいうと一番いい方法かもしれません。
どちらかの意見を採用したとすると、
採用されなかった方は
「オレの意見は無視か」
と不満を感じます。

ただ、2人の意見が正反対だと、
折衷することも難しい。
そうすると、
一番いいのはAさん、Bさん、経営者の3人で話し合って、
3人が納得する、もっといい結論を導き出すことです。

考えて考えて考え抜かなければなりません。
そして、得た結論が

「合」

話し合いを通じて3人とも納得していますから、
その案を実行したときの動きもスムーズです。

この場合は、
・一定の分量以上の商品を購入した場合だけ大幅値引き措置をとる
・まったく新しい付加価値をつけた商品をぶつける
 などの案が考えられます。

いずれも単純な値引きではありません。
前者の場合、納入業者との交渉が必要で、
ロットを大きくすることで、
値引きを認めさせる必要があります。

もちろん、この案がベストとは限りません。
ただ、二者択一で考えるよりも、
選択肢が広がることは確かです。

「正―反―合」と考えていくことで、
問題を構造的・複合的・重層的に捉えることもできます。

弁証法」は社長さんに、
「視野の拡大」「複眼思考」をもたらします。



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