2012年9月20日木曜日

「山田経営維新塾メールマガジン」VOL20,2012.9.20号


今回は「カルネアデスの板」のテーマでお送りします。


前回のメールで私は厳しく経営維新塾の塾生の心に訴えました。
甘さがあっては、学んでも学んでも、何の意味もないからです。
しかし、平和で豊かな時代に育った私たちにとって、甘さを捨てるというのは簡単ではない。
そこで私は、次のような命題を出してみました。
『カルネアデスの板』です。


ギリシア時代、船が難破し全員が舟から海中に放り出されます。
荒れ狂う海。カルネアデスのところに1枚の板が流れ着きます。
『助かった!』彼は一瞬、そう思う。しかし、他の難破者も板きれに気づく。
1人が板にすがりついてきた。途端に、2人は沈んでしまう。
その板きれでは、2人を支えきれないのです。
カルネアデスはどうするのか。
すがりついてきた者を蹴飛ばして板を死守(文字通り死から免れるために!)するのは正義に反するのか。あなたがカルネアデスならどうするのか。
これが今回の命題。

塾生の一人がすぐ手を挙げました。
「板を守り、自分が生き残ります。当たり前の話」
─板にすがったのがあなたの奥さんだったら、どうしますか?
「妻に譲ります」これも当たり前と言いたげに、彼は即答しました。

この命題に「正しい答」はありません。「2人で板につかまり、助けを待ちます」「自分だけ生き残るのは嫌だ」という塾生もいました。
─難破したタイタニック号のボート、あと3人だけ乗れるとしたら?
塾生に目をつぶってもらいました。「自分はボートに乗る、という人は手を挙げて」。
12人中、3人が手を挙げました。たった3人…。
このメールを読んでいる、あなただったらどうだろう。
手を挙げる人はもっとずっと多いのではないだろうか。

わが塾生たちは心の優しい人たちでした。、

想像してみてください。生命(いのち)の危険ですよ。自分の命が危機に瀕している。口の中に銃口を突き付けられているのと同じ。絶対絶命。明日はありません。そんなとき、人は死に物狂いになって当たり前。阿鼻叫喚です。海の中にいる者は、必死にボートにしがみつき這い上がろうとする。ボート上の者は、すがりついた腕に手を差し伸べることが出来であろうか?
選択を求められた時、とっさにそこまで考えたでしょうか。


先に書いたように、この命題に答えはありません。しかし、あなたが社長なら、会社を生き残らせるためには、社長自身が何としてでも生き残ることが会社の存続可能性を高める、ということを知っていなければなりません。
家族の中に1人しか生き残れないという状況なら、選択肢はいろいろあるでしょう。しかし会社は違う。リーダーたる社長が残っていなければ、会社の存続可能性は著しく低くなります。

今回はたとえ話でしたが、リーダーは常に最悪の事態を想定して何度も何度も心を鍛えておかなければなりません。会社経営者は、「その時どう対応するか」を考えていなければいけな。社長は生き残り、責任をとっていくのです。
常にその覚悟を持って生きていなければならないのです。

今さらながらですが、塾生に尋ねたい。
私がなぜ目をつぶれ、と言ったかわかりますか?
分かったと思います。小学校の先生が「誰がお金を盗ったのか、正直に手を挙げて」というのと同じですよね。それで余計に手を挙げにくくなったと、私は想像しました。12人中たったの3人!
これが命の修羅場で12人が譲り合い助かる3人を決めたのなら、私は皆さんを心から尊敬します。しかし、今の私の思いは違う。
─ここまでていねいに、いざという時のリーダーの責任を説き、またリーダーは常日頃から最悪のことを考えシュミレーションし答えを持っていなければならないと言っているのに、リアルな想像力を持てないでいる。これで「リーダー」と言えるのか。

塾の講義は遊びではありません。私の質問に脂汗(あぶらあせ)をかいていますか?夜、うなされるほど今日の講義を反復していますか? 今日の講義で身についたことはなんですか? 自分を変えましたか?
「脳味噌に汗をかく」というのは、山田のお題目ではありませんよ。
山田経営維新塾の塾生たちは、私と同じフロアに居、同じ空気を吸って数時間を過ごしています。緊張でクタクタになり、家に帰ったらバッタリということがありましたか?
自分の心根が変わらなければ、塾から得られるものは何もありません。

人間力
第1講で学びました。
「感謝の心」「御蔭様の心」「思いやりの心」
リーダーは真摯であれ、謙虚に素直に・・・・・。
約束を守る、ルールを守る、エゴを捨てる。
人間力を高める「学び」続けましょう。



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