2015年8月11日火曜日

「山田経営維新塾メールマガジン」Vol64,2015,7,27号

屈指のイノベーター、織田信長

イノベーションの重要さを腑に落とし込むために
歴史上の事例を見てみましょう。
「歴史に学ぶものは生き残り、歴史に学ばないものは滅び去る」
といわれています。

先人たちの苦闘の歴史を知ることは、
自分自身が体験したのと同じくらいの意味を持ちます。

特に戦国時代は負ければ、一族郎党が滅んでしまう時代だっただけに、
イノベーションの重要性、競合との戦い、リーダーシップ、組織論など
学ぶべきことは多い。
経営者にとっては「教訓」に満ち溢れた時代だといえます。

戦国武将で、もっともイノベーションに熱心だったのは、
何といっても織田信長でした。

単に合戦・戦闘のやり方を変えただけでなく、
「楽市・楽座」など政治・経済面でも多数の新機軸を打ち出しました。
戦国時代、いや日本の歴史上屈指のイノベーター(革新者)
といっても過言ではありません。

しかも、思考が、きわめて論理的。
目的に向かってベストと思われる方法を取る
「目的合理性」を持っていました。

信長の導入した画期的な仕組みのひとつに
「常備兵」があります。
それまでの戦国大名の兵隊は例外なく「半農・半兵」でした。

つまり、兵隊たちは、普段は農業に従事していて、
敵が自国に攻め込んで来たり、
自分が仕えている大名が他国へ侵攻したりする際、
武装して戦場へ就いたわけです。

春・秋の農繁期は忙しいので、あまり戦いたくない。
敵も味方も事情は同じですから、他国への遠征は、
もっぱら夏・冬に行われていました。

戦いが長引いて、農繁期になると、
遠征軍は故国に引き上げざるを得ません。
不利な籠城戦であっても、農繁期になるまで我慢すれば、
なんとか生き延びることができました。

兵農を分離し、常備軍を組織した

ところが、信長は発想の転換を図ります。
兵・農を分離させ、常備軍を組織しました。
農民には農作物を育てることに専念させ、
年貢・税で兵隊を雇うことにしたのです。

戦国時代は歴史上、類がないほど雇用が流動化した時代でした。
市中には戦いに敗れ、失職した武士があぶれていますから、
リクルートには困りません。
そうした浪人を傭兵として召し抱えました。

常備兵は季節に関係なく戦えます。
兵站(へいたん)さえ、きちんとしていれば、
長期の遠征も苦になりません。
農繁期を狙って攻め込めば、相手は嫌がります。

戦いの合間には厳しい訓練を施すことで、
集団行動になれさせ、
1人ひとりの技能を高めることも可能でした。

もっとも、問題がないわけではありません。
常備兵は、からっきし弱いのです。
ほかの大名の兵は農民ですから、モチベーションが高い。
戦いに敗れると、農地は奪われ、住むところがありません。
死に物狂いで戦いました。

しかも、地縁・血縁で幾重にも縛らていますから、
戦場から逃亡したり、卑怯なマネをしたりすることできません。
一族郎党の共同責任となるからです。
現代よりも、はるかに「恥」「名誉」に敏感な時代でしたから、
忠誠心は抜群でした。

ところが、常備兵には、そうした「しばり」がありません。
命を捨ててまで、ボスのために戦う必要もない。
形勢が不利となれば、合戦の途中に、さっさと逃げ出します。
クビになっても、他の大名に雇ってもらえばよかったからです。

ですから、信長は戦国大名としてデビューし、
尾張統一や美濃征伐に取り組んだ時代、信長軍は連戦連敗でした。
特に、美濃攻めには手こずりました。

ところが、常備兵を持っている強みを生かし、
信長軍は何度敗れても、ほどなく兵を挙げ、美濃に攻め入ります。
農繁期・農閑期を問いません。
徐々に美濃勢には疲れが見え始めました。

最後は新兵器の鉄砲が威力を発揮し、美濃を攻め落とします。
欠点はあったものの、常備兵を置く発想は画期的、
信長の合理的な思考が光りました。



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