経営理念を持っている会社の方が粘り強い
社員さんたちが、あれかこれかを迷ったときに羅針盤の役目を果たすのが経営理念です。
社長さんが会社の「かじ取り役」として、最初にやらなければいけないことは
「経営理念」を定めることです。
特に中小企業にとって、経営理念が持つ意味は大きい。単なる建前でなく、社長さんの「魂の叫び」を文章化したものでなければなりません。
「経営理念」の役割を整理すると、次のようになります。
1、「わが社の理念は~」と言う言葉が出たら、幹部だろうと、社員さんだろうと姿勢を正すもの。
2、何かに行き詰まったときには「もう一度、経営理念に戻って、やり直してみよう」といえるもの。
3、アクシデントやトラブル、顧客からのクレームが発生したとき、あるいは新規事業やプロジェクトに失敗したときには「経営理念に反していないかったかどうか」と検証できるもの。
4、新規事業・商品・サービスを開発するときは、単なる多角経営ではなく、「われわれの会社の経営理念に沿っているのかどうか」と価値判断基準となるもの。
5、違う方向に行っているときは、元の方角へ針路変更できるように、羅針盤となるもの。
しっかりした経営理念を持っている会社は強い。逆に、経営理念を定めていなかったり、単なる言葉だけの経営理念しか持っていなかったりすると、もろい印象があります。
好調な時は経営理念を持っていようが、持っていまいが、さほど大きな違いはないのですが、いざというときには確固とした経営理念を持っている会社の方が、はるかに粘り強く、事態に対処しています。
経営理念に、どんな文言を入れるかは会社によって、また社長さんによって、置かれた状況によって異なります。
多くの会社は「顧客満足」は当然として、「企業の将来像」「社会的責任」「地域社会への貢献」「環境問題への取り組み」などに言及されると思います。
・「旗」を掲げよ
加えて、「従業員満足」に類する言葉も入れておきたい。経営理念は「社内外に対する宣言」ですから、まずは社員さんが目にすることになります。
「従業員満足」がうたわれていれば、社員さんとしても、うれしい。
社内のモチベーションを高めることにも、つながります。
経営理念を定めることは、「旗」を掲げることになります。
「おれはこうする!」と高々と旗を掲げて宣言すると、意外によく実現する。
旗に書いて宣言すれば、どんなことでも成就するというような甘い世の中ではないのだが、私自身の経験によれば不思議なほど願いがかなえられる反面、旗に書いて宣言しないものはほとんど実現していない。
人生で、あるいはビジネスで成功しようと思ったら、当面の目標を決め、周囲に宣言するべきだたいうわけです。
旗を掲げるべきです。
いくら心の中で決意しても、外に出さなかったら、だれにもわかりません。
わからないことには、誰も協力してくれないものです。
社長さんの志を、まず社員さんに知ってもらう必要がある。そのためには経営
理念は、もってこいです。
自分の思いのたけを経営理念に凝縮させましょう。
宣言することで、自分の決意が固まり、腹がすわる効果もあります。
若い人の場合、宣言して実現できなかったら恥ずかしいからと言って、宣言しない人もいますが、失敗したからと言って別段たいしたマイナスではありません。
まして社長さんにとっては旗を掲げることは「成功の第一の鉄則」といってよい。
それだけに、経営理念の策定にあたっては細かな神経を使う必要があります。
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